異常な時代に対する最終弁明 ?または、直観の疾走者/岡部淳太郎
 
、そんな馬鹿な話はないでしょう。
 データとか根拠とかいっても、そんなものいったいどこにあるんだという気がしますが、別に僕が「抗する言葉」の中で言及した犯罪だけにとどまらず、現代の日常にはデータや数値にならないところで異常な事態が頻出していると思います。それこそ日常の些細な部分に(公共の場所でのマナー違反などが、一番目につきやすいものですが)、数え切れないほど発生しています。そうしたものは犯罪に至っていないぶん数値化することも出来ず、すべてを数値やデータに置き換えて語ろうとする人にとっては存在しないに等しいものなのかもしれません。しかし、こうした日常の些細な部分にこそ、時代の異常さが現れていると
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