子猫のシビット/芳賀梨花子
 
ない公園で
シビットを見つけることになる

シビットは僕の胸に抱かれた
子猫のそれは儚げで
僕はいとおしかった
シビット、シビット、僕のシビット
さぁ、一緒に部屋に帰ろう
僕は、それからシビットを大事にした
大事に大事に育てた
シビットはやがて大人の猫になってきて
麝香猫のように
妖しい香を肛門から発して
僕はたまらなくなってシビットを犯す

シビットは僕のそれを受け止めて
毎晩、僕を夢中にさせた
ケイコよりも、ナツミよりも、メグミよりも
僕を夢中にさせた
僕はシビットを犯しつづけたくって
夜だけじゃものたりなくって
会社にも行かなくなった
昼も夜も朝も
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