子猫のシビット/芳賀梨花子
 
ように
そっとベッドから出て
僕は至上最悪の頭痛と闘いながら
Yシャツを着る
朝になったら捨てようと思ってたけど
僕はシビットを起こさなかった

シビットがいつでも出て行けるように
僕は部屋のドアに鍵をかけなかった
鍵をかけたって
シビットは出て行けるんだけど
僕は鍵をかけず
Postに投げ込まれている新聞を
いつものようにバックに押し込んで出かけた
至上最悪の頭痛だったけど

僕は気になっていた
シビットは出て行ってしまっただろうか
電話をしたってシビットは出るはずもなく
僕はなんだか不安すら感じるようになってきた
シビットがまだ家にいるかどうかってことだ
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