子猫のシビット/芳賀梨花子
ように
そっとベッドから出て
僕は至上最悪の頭痛と闘いながら
Yシャツを着る
朝になったら捨てようと思ってたけど
僕はシビットを起こさなかった
シビットがいつでも出て行けるように
僕は部屋のドアに鍵をかけなかった
鍵をかけたって
シビットは出て行けるんだけど
僕は鍵をかけず
Postに投げ込まれている新聞を
いつものようにバックに押し込んで出かけた
至上最悪の頭痛だったけど
僕は気になっていた
シビットは出て行ってしまっただろうか
電話をしたってシビットは出るはずもなく
僕はなんだか不安すら感じるようになってきた
シビットがまだ家にいるかどうかってことだ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)