『Ciao Totti!』/川村 透
 
の中に棲む、赤い目の一族だ
 月宿る額になんのしるしか?赤い明かりが証し、するものは何だ?


 こんにちは、敗北。
 ここはカカオ
 タピオカのたおやかさ
 僕たちは抱え込んだ敗北を焙煎し続ける
 じゃらじゃらと
 うじゃじゃけたのっぺらぼうたちの目の前で
 彼らの頬に映る陰嚢の陰影が、限りなくまっとうでイノセントでしかないことを、
 カナ、シム。


 Ciao Totti!
 チャオ、トッティ!
 木目の、ピノキオ
 文字は声の亡骸か?
 スクリ−ンに映し出される事のない、Saga

 君も僕も、
 体の芯にむず痒いレモンを抱いたままイメ−ジ通りの軌
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