『Ciao Totti!』/川村 透
の軌跡を描いたはずだ
黒い蜜の中に浸っているような息苦しさ
髪と髪ふれあわんばかりにぶつかり合って得たモノ
と、
こぼれてゆくタール色の、胸の果汁
ふしくれだった指で蜜柑を剥くように甘やかなウタが染みて来る
今はからっぽになった果実みたいに膝をつきうつぶせに、目を閉じて、見よう
ふりしきる赤い歓喜は柑橘系の刺激を超えてもう痛いくらい髪を腕を腿を刺す
のだから。
Ciao Totti!
チャオ、トッティ!
木目の、ピノキオ
文字は声の亡骸か?
スクリ−ンに映し出される事のないSaga
こんにちは、敗北。
ここはカカオ
カリオ
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