カルパチアからエマオまで/がらんどう
 
わせていると、「まだ分からないのか」と言って男は、いきなりメイド服を着た給仕の女をむんずと掴み片手で抱き寄せるとその頸に白く鋭い牙を突き立てた。しばらく女の頸から血を啜っていた男は、胸ポケットからチーフを取り出して丁寧に口を拭うと、「さて」と言うや、女の身体を引き裂きその肉を賛美の祈りを唱えた後に二人へと手渡した。すると、二人の目は開かれ、その男がクリストファー・リーそっくりであると分かった(つまり、これがどのような物語であるのかが分かった)が、男は霧となって消えてしまった。

そして、二人は時を移さず出発してエルサレムへと戻った。そこでは使徒たちが集まり、本当に奴は復活してしまったのか、と震
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