米原駅ノート/渡邉建志
が、20台前半の若い男に小声で話しかけている。
2分ぐらい話していたと思ったら、一緒にどこかへいってしまう。
ロータリーをまたほかの車が通る。若い男が駅前を見る。
これもまた女の子を引っ掛けようとしているのだろうか。
僕と男2人しかいないので、車はどっかへいってしまった。
米原の夜を一人がらごろと荷物を転がしながら歩く。
誰も歩かない。車もない。
ぼくにとって詩とは何か、と考える。
中学のころ、ぼくが好きだったのは、「かんがえたことを文字に書ける」という事実だ。
それをできる人があまり周りにはいなかった。自分の考えを文体にするということ。
それが好きだったのであって、と
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