米原駅ノート/渡邉建志
ところで仲良く話している。
駅で見たときに、そのうちの1人が可愛らしい子だった。
すると、白い車がぶーんとロータリーを回って現れ、若い男の子2人が
バス停のほうに歩いていった。
ぼくは彼女たちの身をすこし心配した。
「だれか待ってんの?」 遠く声がする。
しばらく何かを話していたが、そのうち女の子たちの笑い声が聞こえてくる。
悪い人たちではないみたいだ。拉致していくとしたらどうしようかと思っていた。
今まだずっと話していて、これからどうするのだろう。
あの男の子たちはいつもこの淋しい駅前に来て、始発を待つ女の子を
引っ掛けているのだろうか。
茶髪のなんとなく感じ悪い男が、
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