君が悪いんじゃない 「トットとトットちゃんたち」黒柳徹子/白糸雅樹
 
  黒柳徹子「トットちゃんとトットちゃんたち」講談社1997年

 この本は、1984年から1996年にかけて、ユニセフの親善大使として各国を訪ねた訪問記である。
 この本のなかでは、「可哀想だと思いました」「気の毒だと思いました」という言葉が何回も現れる。最初は、この言葉が高みから他人事として見ているようで抵抗があった。しかし、繰り返し語られるこの言葉に、なにか重いものを感じずにはいられない。一箱のキャラメルを手に二人のこどもといるならば、分け合うことは喜びである。しかし、百人、千人の飢えた子どもたちと共にいるとき、一箱のキャラメル、一片のパンは、希望というよりは、むしろ、どうしていいか途
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