アフレル オト/千月 話子
もCDも聞けないなんて)
薄暮れない色の 男と女を乗せて
耕運機がすれ違い様 日常を落として行くのだ
そして、黒い服を着た私は
夜のエレクトリカル・パレードで魔女になった。
可愛い子供よ 可愛い歌を聞きなさい
全国のライブハウスのロッカーに置き忘れた音楽が
期限切れで消えていっても 残る結晶
それは、四角い箱の隅に細かい砂埃となり いつでもそこにあるのだ
ある晴れた朝、感動を伴う私を知らない男が抱きしめた。通りすがりに
何故?と問うた 「解らない・・・」と答え、笑みながら行ってしまった
ああ、、多分 あの頃の私は 音楽に満ち
満ちて溢れそうな幸福をこの
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