アフレル オト/
千月 話子
この体に 柔らかく含んでいたのだろう
そうして今、大音響を聞き尽した私は小さなオカリナになった。
もうあの音を 手を伸ばせば届きそうなあの音達を手放してしまったけれど
この小さな部屋に流れる曲を 囁くように歌おう。
フクロウの鳴き出しそうな濃い夜に
サヌカイトの石琴 心地良い高音
風と共に 満たされた私が細く長く鳴くと
この体から 光りが四方に飛び散るのだ
干乾びる事の無い私を カリスマよ、見つめて下さい。
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