アフレル オト/千月 話子
顔から笑みが溢れ 見出した者は命令を下さない
もう、生を楽しめばいいのさ。
ある日、私のカリスマは 地に降りて 酒を飲み
とろけそうな目を薄く開いた
膝枕をした私を 下方から見上げて
「詩を詠んで下さい。」と おっしゃった。夢見るように
その時の 私の未熟な詩など
仮にも芸術家のあなたに聞かせる事など出来る勇気も無く
白々しく微笑んで その金色の髪をひと撫でするだけだった
今ならば、「いくらでも詠んであげますよ。」と
傲慢に言えたかも知れない。ふふふ、本当に傲慢な女だ。
まだ実を付けないブルーベリー畑と緑の田園風景
あぜ道を汚れた機材車が走り抜ける (ラジオもC
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