法学/葉leaf
いた。塔の内側には粉飾された文字たちが、液体状の重力のなかに陳列されていた。扉は時間の塵でできていて、炎のように人をこばむ。人々はもはや声を退化させることしかできない。
真空の層の下で泡立ってくる精気たちは世界の味を忘れてゆく。彼のまなかいには太陽が舞い、彼の渇望は血液に泳ぐ。だがやがて降り積もるかなしみは風の粒と化し、彼はふたたび車輪を回しはじめる。
銀の眠りから目覚めた宣告者の瞳には極彩色の海が沈んでいて、海は英雄たちのさけびに渦巻いている。空のように明るい小法廷で、彼は執行官の言葉に失踪宣告をくだす。執行官は笑い、そして倒れ、そのまま眠りにつく、金の眠りに。宣告者は立ち上がり、古文書
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