受刑/AKiHiCo
 
ぜ僕が受刑しなければならないのだろう。疑問符だらけの頭の中を突き刺すように言葉は続いた。
「処刑は今晩行われる。陽が沈んだ2時間後だ」
 静寂が転がって玉になって、床を埋め尽くす。僕が何をしたと言うのか。訊きたい事は山ほどあるのに唇が震えている。
「では……」
 そう言って黒服の天使は僕の眼を黒い布で隠した。後ろできつく縛られる。じわりと瞼の裏が熱くなる。心の深層でこの人に逆らってはいけないという意識でもあるのだろうか。明らかにおかしな出来事なのに、何も言えない僕がいて、無言の女性が二人いる。立っている感覚が鈍くなり、ふらついた僕は右横の女性にぶつかってしまった。
「さぁ、それまで部屋で
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