俵松シゲジロウの倦怠/みつべえ
 
に沿ってぞろぞろと学校の方へ歩きはじめた。

「何が起こったんだ?」
 背後から声をかけられ、トモコはハッとして振り向いた。
「お、おはよう・・・」
「相変わらず足が遅いなあ」
 コータがトモコの左横に並んだ。
 並んで歩くのは久しぶりだなとトモコは思った。子供時代と違って、この頃は何となく面と向かって話すのを避けていた。登校時のバスの中でも離れた席に座るようにしていた。昔みたいに気軽に話がしたいのに、恥ずかしさが先にたち、つい引っ込み思案になってしまうのだ。それなのに突然話しかけられて、トモコの顔は耳まで赤くなった。
「マフラーなしで寒くないの?」
 何か喋らないと間がもたない
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