書評: 『リバーズ・エッジ』/岡崎京子/mana
。作品としてもわかる。わかるけど、まるごととなると簡単には「わかった」なんて言わせない。そして、「わかった」と言わせないことで、この作品は引っかかり続ける。
ちょっと都会でちょっと田舎。そんなところで僕は育った。
僕が卒業した小学校の横には小さな川が流れていた。ある日、学校のフェンスを乗り越えた川原に、ちょうど学校に横付けするように死体があった。「土左衛門」だ。発見したのは男の子、僕はちらりとしかその水死体を見ていない。けれど思い切り気持ち悪かった。なんだかぐちゃぐちゃでぶよぶよで、それでも女性だとその衣服から判断できた。
まさに、『リバーズ・エッジ』。
ちらっと見
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