散文詩に梱包されて/岡部淳太郎
 
当たり前のものとして詩の中に座を占めるようになる。散文詩のために用意された座席は以前よりも明らかに増大していて、ついには、ほとんど散文詩しか書かない詩人を生み出すに至った。


{引用= 数々の刑罰のなかで、私が、最も苛酷であると考えるのは、生涯を、一匹の犬と共に、生きねばならぬもののことである。
 一匹の犬、勿論それ自体は、何ら怖るるに足らない。問題は、必ず、彼と共に来る、例えば、高い塀のことなのである。
 一匹の犬は、容易に、その塀を超えることができる。だが、私は、それを超えることができない。逆に、私は、たやすく、その塀を超えることができる。だが、犬は、それを超えることができない。
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