雷子の居た夏/千月 話子
い
窓からこっそり外を覗くと
へし折れて白煙の立ち昇る木の陰から
ステテコ姿の雷子の親父が
10,000ボルトの目をギョロつかせ
こっちを見ていた こっちを・・・見て いた
君の父さんは、全ての男が嫌いみたいだね
元彼の竜男は 雷子と2人傘の中
突然の落雷の衝撃で 川に飛ばされ激流へ
流され 流され 2県先で救助された
元々彼の陽介は 雷子と2人自転車に乗り
突然の雷雨に驚いて 急ブレーキをかけた瞬間
飛び上がり 通り過ぎるトラックの荷台に乗って
北の国へと 配送された
だから そんなだから そんな話を聞いたものだから
「もう、僕たち・・潮時だね。
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