夏の日 一/龍二
至って文句は無い。家から持ってくる弁当には、虫が入っていたりするので、僕はいつもパンと牛乳を買って食べる事にしている。青い空を見つめる、今日いなくなってしまった者達は、深く遠いあの青に飲み込まれてしまったのだろうか。その者達には、その者を悲しんだり、喜んでくれる人がいたのだろうか。パンを食べながら、そんな事を考えたせいか、もう「弁当を作らなくても良いよ」と母に伝えようと思った。太陽はこの季節だけ嫌われ者になるけれど、本当はいつも人気者なんだと、変な事も考えた。
教室に戻ると、僕の机が無くなっていたので、少し眠かった事もあり、僕は帰宅した。母に、「もう弁当を作らなくて良いよ」と告げると、「不味かっ
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