かくかくしかしか/書く掻く詩か死か --詩と詩人についての雑文/岡村明子
々な文芸のかたちがある。大雑把に言えば、言葉という大きな運動場に、サッカー場や野球場やテニスコートのような形でそれらは存在している。詩もその一つである。だから「詩はフィールドである」と思う。同じことが小説や戯曲その他のジャンルについても言える。サッカー場でプレイするのがサッカー選手であるように、詩というフィールドで活動するのが「詩人」である。
「詩とはどのような形態か」と聞かれたら、「断片」と答える。物語は完結しなくてはならないが、詩はその必然性を免れるからそう思うのである。
「詩とは何から生まれるか」と聞かれたら、「詩人の目によって眺めること」と答える。ことがらを詩人の目によって認識するとい
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)