いっしょに食べませんか?/クリ
うで、実際にはほとんどない。
どんな馬鹿でもいろいろ経験していけば利口に立ち回るようになる、それだけだ。
けれどとても特殊な状況ではあるけれどとても顕著な違いがある。
大人は今食べたものがとてもおいしいと感じたときに、傍らにいる仲間にもそれを食べさせようとする。
子供は全部平らげようとするが、大人は分けようとする。
赤子は乳房を独占するが、大人は酒を酌み交わす、という対比と…、ちょっと違うか。
さて、唐突のようだが、詩人とはどういう人種なのか? 僕はこう考える、「大人になりたいと願う人」と。
「このあいだ、とてもおいしいものを食べたんです。それはひとつしかなかったんです。
だ
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