不連続小説 『煙道 2』/クリ
。とても怖かった。
当時、喫煙の習慣は完全には禁止されてはおらず、各地の条例に委ねられているだけであった。
私の生まれ育った土地ではまだ禁止されてはいなかったが、それでも喫煙者は非常に珍しい存在であった。
だからその村で喫煙を目の当たりにすることになったとき、私は正直少なからず怖じ気づいた。
なんだか黒魔術の儀式の場に心ならずも居合わせたような、後ろめたい気持ちが沸々としてきた。
それよりもなによりも「煙草を吸う?」どういう意味だ。何か特殊な葉を吸うのか?
つまり幻覚作用のあるものを吸引した上で何かしでかす、ということなのか。
それとも、みんなで回し喫んでトリップでもしようということ
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