偏頭痛/プテラノドン
 
その居場所を与えたのは僕等で、
みんなそれを許している。ほっぽらかしなのだから
監禁しているわけでないにせよ、勝手に出ていくことがないのだから、
やはり何処かに潜んではいるのだが―

たとえば公園の遊具の錆び、それを掴むと
学校の体育授業の香りがする
体操着のぶら下がった
机と、苗字の違う新しい上履き
道具箱
夏休みの計画表に
嘘を混ぜるのも大事。そうすれば
おそらく夏はもっと明るくなる。
のある限りは振り返る以外、口にしてまで
懐かしむことはないように、などとおのれを見失わない限り、
言葉は暗闇で孤立して生きて、歩いている、がゆえに、
他の言葉と衝突し、奇妙な火花
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