きょーふのこんげん/佐々宝砂
 


それからベイリーの短編。まず「シティ5からの脱出」がこわかった。宇宙はほとんど消滅していて、小さな(本当にむちゃくちゃ小さい)ドーム都市シティ5だけが残されている。もう設定だけで寒気だ。同じくベイリーの「洞察鏡奇譚」もこわかった。宇宙はぜーんぶ土でできていて、ところどころに空洞があり、人はそうした空洞に細々と暮らしている。「洞察鏡奇譚」において、「空間」は貴重な限りある資源だ。という設定が普通の人に怖いかどうかしらない。とにかく私にはこわかった。あまり怖かったので、私もしかして閉所恐怖症かしらんと思ったが、狭いところや洞窟に入ってもなんともない。洞窟がイヤになったら出ればいいだけの話である
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