名乗りについて(二流詩人7つの条件補遺1)/佐々宝砂
かった。まして女は、オトナであれ子どもであれ、名乗ることができなかった。だが、今の時代、戸籍名は別として、誰だって自分の好きな名前で名乗ることができる。少なくとも、ネットの上では。自分に名前を付けては剥がし、付けては剥がし、そうやって今の子どもたちは成長してゆくのだろう。
私もその権利を使いまくり、自分のプロフィール欄に自分の名乗りを列挙している。現時点では、「H氏賞より異形コレクション掲載を夢みる徒手空拳の赤貧三流怪奇詩人。自称ネット詩界のエド・ウッド。胎児性SFマニア。後天性怪奇ファン。粋な旋盤工に憧れる工員。マルクス主義フェミニスト。メガネ属性。高橋源一郎のミーハーなファン。山田風太郎
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