名乗りについて(二流詩人7つの条件補遺1)/佐々宝砂
自分のものではない思想で詩を書いたってかまわないはずだ。少なくとも私はそう思っている。そうそう、もひとつ念を押しとかなきゃならないなあ、「マルクス主義フェミニズム」と「マルクス主義」は別個のものですよ。
てな感じでここまでまえおき。名乗りの話をしよう。
私は結婚して十年になる。思うところあっていまだに旧姓を使っている。しかし私は夫の姓でも呼ばれる。最初はいやだったが、近頃は気にならなくなった。京極夏彦の小説を読んでいてふとあることに気づいて、考えを改めたのだ。どんな名前で呼ばれようとも、私は私で私の本質は変わらない。だからどんな名前で呼ばれても、私はとやかく言わない。勝手に呼びゃいい。
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