遠い猫/チアーヌ
 
しは猫の姿を眺めながら、この子はどこかで見たことがあるなあ、とずっと考えていた。実家で飼っていた猫なら、すぐに思い出せるけれど、そうではなかった。もっと関わりは薄い、けれど、見知っている、そういう気がした。

とりあえず、わたしは明日のために寝ることにした。猫はわたしの部屋に入り込んで、ずしっと重い体をわたしの体の上に横たえ、わたしと一緒に眠った。

次の日、わたしは半日休むことにして、午後から出社することにした。そして車を出して郊外のホームセンターへ出かけ、猫用品を買い揃えた。猫のトイレ、猫砂、猫缶、猫の水のみ機、猫キャリー、爪とぎ板。そして急いで家に帰り、猫用品をセットした。これで安心
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