遠い猫/チアーヌ
 

わたしは急いで新聞紙を持ってきて、その場に引いた。
「ここにして」
そういうと、猫は、にゃーん、と言いながらぶるぶると体を震わせてうんちをした。
わたしは新聞紙をくるくると巻いて、うんちを片付けた。
「ねえ、おまえ、日本語が話せるの?」
猫は知らん振りで、にゃーん、と鳴いた。

時計を見ると、夜中の3時過ぎだった。まだ辺りは暗い。
お腹が空いているのじゃないかと思って、キッチンの戸棚を開けてあちこち探したけれど、何もなかった。仕方ないので、鰹節をごはんに混ぜて少し与えてみた。
にゃーん。
猫はお腹が空いていたのか、かっかっ、と舌を鳴らしながら喜んで食べていた。
わたしは
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