書く動力 7/Dr.Jaco
 
ある。「だれも語ることのできないあるなにものか
にたいする執着」は今も詩を書く人たち(全員とは言わないが)の中に巣食う欲望だ
と思う。

私が自分の皮膚になぞらえた「境界」が「言葉さん」の住処である。皮膚の外界に私
が初めて見た訳の分からない異物「シーツの皺」は指先の皮膚を透過して私を拡大さ
せ、というか、分からない以上、漂着させたのだ。それは「これ何だろう」といった
素朴な感じのノスタルジーではないのだ。その漂着が起きた時、私自身が皮膚を透過
したと感じたのだから、そこに「境界」を感じ取った。つまり、「シーツの皺」は私
自身が透過した皮膚の象徴なのだ。
と、言えるかもしれない
[次のページ]
戻る   Point(0)