四人の僧侶 庭園をそぞろ歩き ときに黒い布を巻きあげる 棒の形 憎しみもなしに 若い女を叩く こうもりが叫ぶまで 一人は食事をつくる 一人は罪人を探しにゆく 一人は自涜 一人は女に殺される (「僧侶」第一章) 四人の僧侶 固い胸当のとりでを出る 生涯収穫がないので 世界より一段高い所で 首をつり共に嗤う されば 四人の骨は冬の木の太さのまま 縄のきれる時代まで死んでいる (「僧侶」第九章)