同情するならお金下さい。/絶倫号
 
 私は体に障害を抱えて生まれてきた。私はその事を周りには明かさないように暮らしている。生涯を通じて腐れ縁を持つであろう友人を除いてである。また、ひょんな出来事から、私の障害を知られてしまった人にも、必要最低限の説明をするようにしている。前者の私の友人達は、私が自分の障害を打ち明けた時、それほど関心があるという顔もせず、興味なさそうに聞いている事が多い。逆に後者のそれ程親しくもなく、やむにやまれずに打ち明けた相手は、真剣な表情で聞き、さも同情しているというような顔つきをする人が多い。一見、前者の私の友人は無慈悲に見えるかもしれない。しかし、その無関心である態度が私にはどれほど嬉しく、心の落ちつくもの
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