「日本文学盛衰史」書評/佐々宝砂
 
をまぜこぜにしてみたのね、なかなか面白いじゃん?と私は独り合点して読み進む。

 次に登場するのは「若い詩人たち」だ。最初の口語詩を書いた川路柳虹、詩から永遠に去ってゆこうとしている島崎藤村……私の好きな北村透谷も登場してくる。透谷ときたら、ジャニス・ジョプリンをヘッドフォンで聴きながら「これがほんとの詩だぜ。ジャニス、ジミ・ヘンドリックス、ジム・モリスン、鈴木いづみ、おれの好きなやつはどいつもこいつもどうして早死にするのかねえ」なんてうそぶく。このセリフは重要なセリフってわけじゃないんだが、いかにも透谷らしくてヨイ。透谷が死ぬシーンではドアーズの「ハートに火をつけて」が流れてる。きゃあ、あた
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