言葉使い過ぎ/山内緋呂子
 
言葉を使いすぎだ。
「以心伝心」というものはございます。あります。
「思っていることは言わなきゃ伝わらない」「人の考えていることはその人にしかわからない」とか言います。
(注:ここでは、「言葉」を「感情」を表すためのもの、としてだけ話します。)

例えば別れた恋人に道で偶然会って、私がくわえタバコだった時、私がタバコを吸うことを知らなかった彼は開口一番「タバコ吸うの?」と言いたい。私は「そう言うと思った」と言いたい。「大丈夫だよ」とか笑いたい。

がしかし言うのは、98%の確率で「元気?」「元気。」だ。使っている言葉は「元気」だけだが、前述の会話ほどコロコロ感情がうまく伝わらないが、
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