中古の幸福/後期
そうです」
私は黙った。
帰り道で、ふと思った。
この幸福は
途中で終わった人生の残りだ。
つまり、
他人の人生の続きを感じている。
私は瓶を見た。
瓶の底に、小さな紙が入っている。
ピンセットで取り出す。
そこにはこう書かれていた。
回収済み
意味が分からない。
私は店へ戻った。
「これは何ですか」
店主は瓶を見た。
そして静かに言った。
「幸福は、使い終わると回収されます」
「誰が?」
店主は、答えない。
私は、奇妙なことに気づいた。
今日一日、
一度も幸福を感じていない
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