書いてあったという/後期
が務めである。
それが、歩く。
町を。
まるで、「職務放棄」ではないか?
ああ、と、私は思った。
それはきっと、私のことだ。
私は今日も会社へ行く。決まった時刻に椅子へ座り、決まった顔で挨拶をし、決まった言葉を並べる。立っている。ずっと立っている。内側ではぐらぐら揺れているのに、外側は真っ直ぐでいなければならない。
だが、ある夜、電信柱は歩くのだ。
誰も見ていないところで、ぎしぎしと土を抜け出し、アスファルトを踏みしめ、電線を引きずりながら町を徘徊する。
電線が悲鳴を上げる。
火花が散る。
それでも歩く。
それは逃走か、反乱か
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