書いてあったという/後期
 
困ったことに、その話を聞いてからというもの、私は電信柱を見るたびに軽い動悸を覚えるようになった。

電信柱が町を歩いている夢をみた。
と、書いてあったという。

それだけ。

だからどうしたと言う事もなく、
ただ、それだけだ。

あの人らしい、と思う。いや、らしいなどと言うのは失礼かもしれない。私はあの人の夢の癖など知らない。ただ、そうであってほしいという私の勝手な願望が、そう思わせるのだろう。

電信柱が歩く。

それは滑稽である。だが同時に、ぞっとする。

電信柱は立っているものだ。黙って、雨に打たれ、鳥に止まられ、子供に落書きをされ、それでも動かない。それが務
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