ある息子の一生/ばんざわ くにお
りました
決して裕福とは言えない家でしたので
国立大学の医学部を受験するしかありませんでした
しかし
猛勉強の甲斐もなく
ことごとく不合格でした
二浪三浪四浪五浪
浪人時代は続きました
二十二年目の受験が不合格の時に
父親が病気で死にました
息子の受験は終わりました
長く続いた受験勉強で
息子は疲労困憊の極致です
息子は四十歳になっていました
やがて息子は工場で働き始めました
しかし世に出て働いてみると
父親が医者になれと言っていた理由が
よくわかりました
そこで
息子は工場に行くのをやめて
再び医学部を受験することにしました
しかし再び
二浪三
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