「みとふかちゅさにゅ」/後期
 


みとふか、が地下鉄へ降り、
ちゅさにゅ、が高架を這う。

鼻音は内部へ向かう性質を持つ。
都市は空洞だ。

ダクト。
配管。
エレベーターシャフト。

にゅ、にゅ、にゅ。

空気を吸うたび、
都市は内部から湿る。

ふか、が膨張する。
摩擦が熱を生む。
ガラスに細い線が走る。

ちゅ、が一点に集中する。
破裂音は小さい。
だが繰り返す。

ちゅ。
ちゅ。
ちゅ。

梁の接合部が疲労する。

そのとき、
遅れて、さ、が走る。

破裂ではない。
滑走。

さ。

外壁の角を撫でる。
看板の縁をなぞる。
窓枠の稜線を薄く
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