いた。/後期
疑わない。
疑う理由がない。
疑う言葉を教えられていないのだから。
なぁ、先生。
あんたも黙ってたよなぁ。
俺の口で。
夕方、洗濯物を取り込むとき、
指先が少し震える。
首を骨まで絞め続ける。
風で揺れただけの布を、
何かの皮膚みたいに思う。
裏返す。
畳む。
重ねる。
何を?
拭う事を行動に
どうか加えてくれ。
整然としている。
どの家も似たような布を干し、
似たような匂いを吸い、
似たような顔で夕飯を食べる。
それなのに、
どこかで綻びが広がっている。
これをどう処分するかだ。
これは重大な課題だよ。
音はしない。
破れる
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)