客人/後期
 


だが真実は、書けば書くほど、書き手に返って来るのではないか。私はそう問いかけたくなる。

ある夜、あの人は鏡の前に立ち、長いこと自分の顔を見つめていた。私は襖の陰からその姿を見ていた。鏡に映る横顔は、ひどく疲れていた。

「お前は臆病者だ。」

小さく、そう呟いた。

私は噛み殺した。誰に向かって言ったのか。鏡の中の自分か、それとも私か。

あの人は優しい。
少なくとも、かつてはそうだった。

だが優しさは、ときに人を責める。
正しくあろうとする気持ちは、他人より先に自分を断罪する。

客人とは、赦さない心なのですか?

あの人は自分を赦さない。
些細
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