おじいさんのクリスマス/板谷みきょう
小さな町の裏通りに、古びた時計屋がありました。
店の奥には、白いひげのおじいさんが座っています。
細い目で、時計の針と歯車を見つめながら、
ゆっくりと手を動かしていました。
暮らしは楽ではありません。
けれど、おじいさんは
子どもたちが持ってくる安物の時計も、
決して断りませんでした。
「どうしてそんなに丁寧に直すの?」
ある子が聞きました。
おじいさんは笑いました。
「時計が狂うとね、心もいそいそと急いでしまうんだよ。
こうして整えておくと、明日が少しだけやさしくなるんだ」
*
町には、もう一人、よく知られた人がいました。
大きな
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