わたしたちの公園/後期
せている。
言葉が生まれる。
それは
音の並びではない。
欠落の輪郭である。
触れられなかったものの
外周をなぞるために
舌が動く。
「星」と言うとき、
口の中には
光ではなく
闇が広がる。
言葉は
対象を選べない。
距離だけを
正確に測る嘘だ。
やがて
一人の子が
海を見ている。
波は繰り返す。
だが同じ形は二度と来ない。
子は
まだ「不可逆」を知らない。
だが
濡れた足元の砂が
すでに世界の法則を教えている。
戻らない。
戻らないことだけが
確実だ、とまた
嘘をつく癖が口走る。
老いた者が
夜の窓に自分を映す
嘘を長年
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