ユウスケの御託/田中教平
 
る程、俺は頑張ってもいないし、張り切ってもいない。只、苦しんでいるだけだ、とユウスケは思った。書斎のカーテンを開けて、窓をひらいた。
 この思考の種は?カナの文章であった。彼は自分が身の程をわきまえず、また感化されやすい性格である事を自覚した。
 とおく青空を眺めていると、書斎にカナがやってきた。手にピンク色の袋を持っている。
「はい、バレンタインデー」
「あ、ありがとう」
 ユウスケはカナからその小さなピンク色の袋を受けとった。
「ホワイトデー、今年はあるのかしら」
「ホワイトデーなぁ、ある、ある」
「お義父さんにも、渡したいんだけど」
「じゃあ手紙を書いてくれる?午後イチで俺
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