ユウスケの御託/田中教平
で俺、実家まで原付走らせるから」
五年前、ユウスケは大手企業の障害枠で働いていたが、大変痩せてしまって、退社した。
できない事はできない事を、身を持って知った。その経験は彼から闘争心のようなものを奪った。彼は去勢された雄猫であった。
その癖、できもしない夢を語る事が多くなった。遂に脳病が悪化して、脳がショートしているのかも知れぬ。ポーズを、格好をつける為に彼は、私小説を要求しているに過ぎないのかも知れなかった。
この日ユウスケは或る求人情報を見つけた。
近くの打ちっ放しゴルフ場の清掃の仕事であった。しかし勤務時間を見ると午後の四時から夜の十時、という事になっていた。
ユウスケは、上手くいかないようになっているなぁ、と呟いた。
戻る 編 削 Point(1)