脂喰坊主と十人の詩人/AB(なかほど)
 
 ゆうなんぎい、の木の精が
 糸を つつつ、とたぐりよせ
 夜と朝の継ぎ目を 静かに縫いあげる。
 もしも背中が ブルッとしたら
 それはキジムナーに ひっつかれた証拠だよ。


耳切坊主

 眠れない夜の 地獄めぐり。
 辻々に立つ みみちりぼうじが
 僕の履歴を 職務質問してくる。
 朝を 夜を
 錆びた鋏で 無惨に切り刻みながら。


運玉義留

 こども等の「まぶい」が
 権力に抜かれてゆくのかなしさ。
 盗り返してくれ、ギルーよ。
 彼らの明日――
 その眩しき明日のみを、汝の報酬として。


脂喰坊主

 「おうい」
    声が
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