どうせしにゆくだけのものそのじんせいのひまつぶしに/あらい
 
こぼれる馨りに這い、トタンの鈍いえみ、古い錆という名に庇に化生をおとしながら。空腹をそっとひきぬく
 また微風ぢみた布の目が藻層を汲み入れ、壁のいたずらを、シミというひし程とおいわらう声を、宿らせている、アストロラーベの残響/斑煉瓦のひノもとで、こまかな塩の匂いを撒くベランダ越しの蜘蛛が、横むきに受けとめるうつわに、自分を預け去っていく
 眼光定まらず軟らかいものが砥石を欠く、こころからは、にがりきって くせに有り余る時間をまるめこむ。覚えている男の振動は ぺしゃんこに照り返す瓶のそこに、噛まれない脈が呼ばれ、ふつとこぼれたザラメ糖
 左手で描く右側の夢が桟に置くグラスの内側を、這い上がって
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