明日から冬は居なくなるようだ。/山人
された放物線を見ると、リアルタイムな雪との闘いを感じてしまう。
作業を終え、朝用の弁当を詰め込み、ヘルメットにヘッドランプを点灯したまま、転ばぬように無人駅まで三十分弱歩く。車道の雪壁はすでに四メートル近くになり、なるべく滑らないよう端を歩く。秋口にクマ除けに結んだ鈴がちりりんと雪道に溶け込んでゆく。午前四時過ぎの車道には何もなく、車すらも通らない。ときおり何かが下りてきて、一言二言独り言などを発したことがあったが、それはそれで楽しくもある。やがて煌々と無人駅ホームのLEDが見え始める。だから夜の雪道を歩くのは好きだ。
そんな雪との闘いがもうすぐ終わりそうだ。寂しい。首筋から吹雪が入り込み
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)