凄いぞ!TOP10 「立春前」本田憲嵩/室町 礼
 
かが曖昧で、むしろイメージが過剰
に増えすぎて中心がぼやけています。比喩が主体の自己表出から必
然的に出てきたというより、「詩的な言い換え」にしかすぎない。。
たとえば、蜘蛛が「春そのもののように」見える必然性が、主体の
経験としてどこまで切実かが伝わらない。蜘蛛の動き、色、存在感
が、なぜ「春」なのか──そこが描かれないまま、「春そのものの
ように」と言い切ってしまうので、比喩が「感じのよい置き換え」
にとどまっている。
そしてここがこの詩の最大の山場であると同時に最大の欠点ですが
最後の「冷酷な素顔」が、比喩としてまったく意味不明です。この、
冬の「冷酷な素顔」は書き手
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