大寒の頃/田中教平
が、良い子ちゃんの意味も含めてそう言っていた。
しかし、ユウスケの心の清さというのは生来、あるものではなくて、自力作善の、それも寧ろ、自分が嫌な気持ちでいたくないからつくろっている、心の清さで嘘っこだった。
真に純粋なのはカナだった。純粋ゆえに、喜怒哀楽激しく、時にユウスケに無茶な要求をした。愚痴も言った。でも、それは心の底からカナが純粋であり、純粋ゆえにそういった暴走をときに起こしてしまうということだった。
そのことをユウスケはいつの間にやら思いかえしてはカナに
「俺は悪人だ」
と言った。カナはユウスケがまた変な事を言っていると思いそこまで深く追求しなかった。
「悪人なんてことは
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