大寒の頃/田中教平
 
は朝から何度も、一階と二階を往復することになった。
 事業所への通所はキャンセルの電話を入れて、昼食に、またお餅を出すわけにもいかないので、近くスーパーに買い出しに出た。このときばかりはカナが気を効かせてくれて、家計の財布から二千円、ユウスケに持たせてくれた。ユウスケはそのお金で、天丼とカツ丼を買った。カナが天丼かカツ丼か、食べたい方を選べるように配慮してのことだった。
 カナは天丼を食べ終えると、シャワーを浴びたがった。風呂場も二階にあるので、ユウスケはカナに肩を貸して、階段を昇っていった。
「大丈夫?腰、痛くない?」
「うん、なんとか大丈夫」
 浴室前の洗面所に着くと、カナはへたり込
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